それぞれの夏を味わう

子どもが一人で3日間旅に出た話。大人は大人で異なる3日間を味わう。
永見 薫 2025.08.15
誰でも

世の中はお盆休みの真っ只中。皆様いかがお過ごしでしょうか?会社員の方もそうでない方も、この時期はお休みの方が多いように思います。

今週は外出が続いていたのですが、出かけ先も、電車もややゆとりがあるなと感じています。過去回のレターでも少しお話ししましたが、会社員時代毎年夏休みはずらして撮っていたため、社会人生活20年近く営んできたものの、この時期の夏休みとは無縁です。

ただ、この1週間出勤する時に心なしかゆとりがある雰囲気がとても好きでした。

それだけ、日々追われながら通勤して、追われながら仕事をしているのだな、と気づきをもらえる時期でもありました。

この週末まで、少しでも心にゆとりを持ち、自分の内側に湧いてくる感情、変化に耳を傾けられたらいいですよね。

***

誰のためにもならない時間


この夏は誰のためにもならない、自分のためになることを。をテーマに過ごしています。


何か面白いことを知った時、やりたいと思った時「これ、誰かの役に立つかな?」「これ、仕事のために良いアイデアになるかな?」とついつい考えてしまう自分がいます。


フリーランスという職業柄、というかもはや自分の性格の問題もありますが……。だから、この夏は純粋に自分のためになることをやりたいな、と思っていました。


それが「プリンの食べ歩き」です。


プリン?なんでプリン? っていうのはプリンが好きだから。
まあまあ、それ以上追求しないで、一旦脇においておいていただきたいのですが。


プリンをただただ食べて、写真を写して、ZINEにまとめるという誰のためにもならない活動を始めました。ただそれだけ。


きっかけは、文筆家の安達茉莉子さんと品川区・荏原にある書店「隣町珈琲」が主催した「ZINEは誰でもつくれるよ」というワークショップ。


実は私、初夏からこのZINE作りの講座に通っています。
ここで安達さんがおっしゃっていた言葉が印象的だったんですね。


「ZINEをつくると、もっと売りたい、売らなくてはという気持ちになります。そういう気持ちも大切ですが、まずは誰のためにもならない、自分のためのZINE。それでいいんです。私のための一冊をつくるところから始めてみましょう」

そう問いかけられた時、私は頭の中にしばらく何も浮かびませんでした。

自分だけのもの、自分だけの楽しみ……。


私にとってひとり時間は、自分の楽しみでした。それが自分のためだと思っていた。だけど、それ以外に何かないのか?しばらく、浮かんでこなくて。

ただ頭の中でちらちらと掠めていたのは、大好きだったカフェ巡り、まち散歩。
そうだよ、私それが好きだったじゃん。

せっかくカフェ巡りするならば、プリンを食べに行こう。行ってみたかったけど、「いつか行こう」と通り過ぎていたカフェ。行くと決めたらあそこのプリンを食べに行くんだ。

夏休みに入ったと同時に決まったプリンの旅、決行です。

子どもは子どもの旅を、大人は大人の冒険を


プリンの旅を結構すると決めた時、我が家の息子もまた旅をすることを決めていました。小学生になってから私の実家(つまり、息子の祖父母宅)に泊まることを始めた我が子。

昨年は1泊2日を決行し、その後私たち夫婦があとから実家に追いかけて3人でお泊まりするというものでした。

ところが今年は「来ないでいいよ」という。

僕が3日間一人でずっと泊まるんだ、と宣言をしました。

おお、これぞ自分のための旅。息子は1年であっという間に心身成長をしてしまいました。せっかく挑戦したいというのであれば、見送らなくちゃ。と笑顔で送り出しました。

さて、空いた3日間どうしよう。と思いながらも、結局私も夫も仕事をするのがほとんどだったのですが、私は「プリン食べに行かない?」と誘うのでした。


夫は「は、プリン?」といった反応でしたが、なんせそのプリン屋さん、というか喫茶店、とにかく人気で並ぶのです。

お店自体は新しく、まだ開店して3年ほど。東京・三鷹にある青果店が営む果物を存分に味わえるカフェです。朝9時からモーニングをやっているため、モーニングメニューを目当てにお客さんがゾロゾロと並びます。


いつか行きたいな、と思っても、気合を入れないとなかなかいけない。用事があると後回しにされてしまう。
子どもがいない今だからこそ、私たちはせっせと行くべきだ、と11時から始まるカフェタイムを目指してバスに乗って出かけました。


カフェタイムが始まる11時前にはすでに数組のお客さんが並び、店内はモーニングを愛しむお客様で満席。


扉を開けるとぶわっと広がるフルーツの薫り。それだけで夫婦共にテンションが上がり、「何を食べよう」とウキウキ話し合う。

<b>私がお目当てにしていたプリンアラモード。もはやプリンが脇役なんじゃないかというくらいのフルーツの存在感。フルーツひとつひとつの産地を店員さんが説明してくれる、という優雅なひととき。</b>

私がお目当てにしていたプリンアラモード。もはやプリンが脇役なんじゃないかというくらいのフルーツの存在感。フルーツひとつひとつの産地を店員さんが説明してくれる、という優雅なひととき。

<b>こちらはフルーツティ。中のフルーツも贅沢な生果実。紅茶が染み渡ったフルーツはコンポートのような食感で、全部美味しくいただきました。</b>

こちらはフルーツティ。中のフルーツも贅沢な生果実。紅茶が染み渡ったフルーツはコンポートのような食感で、全部美味しくいただきました。

私はこの日お目当てのプリンアラモードの一皿を、夫はマンゴーデザートプレートを選び、それぞれがただ「美味しい、美味しい」とつぶやきながら黙々と食べる。

隣のカップルもたただた「この果物が美味しい」「毎月通いたい」と言いながら黙々と食べていた。

時々、夫と私はフルーツを交換しながら「これも美味しいね」と言いつつ、分かち合う。

お腹がいっぱいで動けなくなってしまい、お茶を飲みながら雑誌を読んでひと休み。

なんのためにもならない、プリントフルーツを味わう時間(あ、お腹のためにはなっているか)。

けれど、わざわざ人気のカフェにせっせと足を運んだこと、夫とウキウキしたこと、美味しいね、と分かち合う時間は誰のためにもならないけれど、自分たちのためにはなりました。

子どもの旅のかたわらで、私たちもほんの少しの冒険を。ひとつまた思い出ができました。

***


はっ!そう言えばここまで書いていて気づいたのですが、前回のレターで試行合宿の内容について書きますね。と言いながら書き忘れてしまいました……(汗)

実は今もなお、試行合宿中なので、8月の総決算として次回のレターで今度こそ、書きたいなと思います。そしてお知らせしているイベントですが、今週末までの開催です。東京・谷中にある「HAGISO」での展示ですが、ぜひ足をお運びください。とても素敵なカフェ併設ギャラリーです!

***

■イベント「小さな声、小さな本展」について

ただいま展示会に出品中。イベント名は「小さな声、小さな本展」です。主催は、東京の荒川区・尾久を中心に活動する、ちょっとおせっかいな間借り本屋「KAZENONE BOOK」さん。展示のメインテーマは「わたしがほしかったZINE」。自分のために書いた本、昔の自分に届けたかった本、たったひとりの誰かに向けた本をテーマにお届けしています。

展示ディスプレイもとっても素敵で、連日たくさんのお客様が訪れています。普段はネット販売をしない作家さんの作品も多数並んでいるため、ぜひその場にお出かけして手に取ってほしいです。



<開催概要>
会期:2025年8月7日(木)〜17日(日)会場:HAGISO 東京都台東区谷中3丁目10-25( @hagiso_2013)主催:KAZENONE BOOK( @kazenone.book

※会期中、木〜日曜+祝日は、KAZENONE BOOK店主が在店予定です。

ぜひお越しくださいね!私も会期後半になると思いますが、お邪魔する予定です。


お知らせ
オンラインショップ情報
居場所について考えるワンテーママガジン『あのひとの居場所』他オンラインショップで販売中です。ぜひご覧ください。https://kaoru-ngm.stores.jp/

対話のセッション
病院に行くほどではないけれど、どこか心の中がすっきりしない。上手く声にならないあなたの思いを聴くサービス 「対話の時間」と「保健室」を開いています。

話したいことは、あなたが決めて大丈夫。ここで話してはいけないことはありません。密やかなことを話すため「ここに来たよ」と公にしたくない方が多いのですが、勇気をもって扉をノックしてくださり心からありがとうの気持ちでいっぱいです。なんだか気になるな、という方はまずはサイトをのぞいていただけたらと思います。

書きたい人のための保健室:https://note.com/kaoru_ngm/n/n41ce4c68a508
対話の時間:https://note.com/kaoru_ngm/n/n68da5371d79a

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※このレターは月2本、毎月1日と15日に配信予定です。1ヶ月の始まり、折り返しとなる15日に自分の内側をふり返る。私にとっても読み手の方にとってもそんな時間となるように願っています。

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発行人:日々の声 永見 薫https://kaorunagami.com/

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